【衛生管理】お風呂に浮かべるアヒルのおもちゃは、とんでもなく細菌まみれだった
そのレベル、”人間の糞便並み”……。
New York Times紙によると、スイスの5つの家庭で実際に使用された19種類のお風呂用おもちゃ(湯船に浮かべて遊ぶアヒル型のおもちゃラバーダックなど)にはかなりの数の細菌細胞が潜んでいることが明らかになりました。
スイス連邦水科学技術研究所、チューリッヒ工科大学、イリノイ大学の研究チームによる研究チームがN.P.J. Biofilms and Microbiomesで発表した最新の調査結果によると、なんと1平方センチメートルあたり最大7500万個もの細菌細胞が見つかったといいます。
「これは人間の糞便サンプルから見つかる細菌と同じ密度です。おそらくこのような高い細菌密度をもつ場所は他にないでしょう」とTimes紙にコメントを残したのは、ドイツのフルトヴァンゲン大学の微生物学者Markus Egert氏。
ここで念のために、トイレの便座と比べておきましょう。アリゾナ大学の微生物学教授であるChuck Gerba氏がBBCに答えたところによると、便座は私たちが想像しているよりもずっとマシで、1平方インチあたり約50の糞便細菌が潜んでいるとのこと。つまり1平方センチメートルあたりだと20以下……(お風呂場のおもちゃから検出されたのは”各種細菌の細胞”の数である点もご留意を)。
でもどうして、ラバーダックにはそんなに細菌がつきやすいのでしょうか。
研究者チームによると、なんでも製造時に使用される低品質のプラスチックポリマーが炭素を放出し、バクテリアにとって重要な栄養源となっているそうなのです。
入浴用水にはパーソナルケア製品・尿・汗のような体液が混じっていて、バクテリアにとっての栄養素で満たされた状態であるとのこと。ヒト微生物叢(マイクロバイオーム)と環境由来細菌の両方が放出されると、レジオネラ属菌や緑膿菌(両方とも病原菌)などの住処と化すようです。
お風呂用おもちゃを使うのが主にちいさな子どもたちであることも考えておきたいところ。
バイオフィルム(菌膜)に満ち満ちた水を顔などにかけると、目・耳・傷口・胃腸管からの感染症が生じる可能性があります。このリスクの実際の程度を評価するためには、特定の衛生的側面にフォーカスした、より実験的な検査が必要です。
研究者らは細菌感染の対策として、使用後のラバーダックは沸騰したお湯につけることを推奨しています。それでも、バクテリアやウイルスが手強くなってきている現況を踏まえると、シンプルに掃除するだけでは十分でないと指摘しています。
こういう話題って、気にするともう止まらないというか…思わず「知らなければ良かったー」なんて口走っちゃいそうになります。これまでバクテリア好みかどうかという視点でどんな素材が使われているか考えたことなかったですし。でも一度知ったからには、こういう知識をうまく生活に活用していきたいものですよね。とりあえず今週末はお風呂場にあるものを徹底的に見直してみようと思います。
それかもうお風呂を100°Cに設定してしまえばいいですかね。