【衛生管理】知っておきたいノロウイルス感染危険スポット 赤ちゃんが使うアレに工夫と改善を!
この時期、特に気になるのがインフルエンザとノロウイルスに関する報道である。少し前にある大型ショッピングモールのトイレで目にした光景だが、赤ちゃんのオムツを交換する台に自分で持ってきたと思われる大きめのビニールを敷き、そこに赤ちゃんを乗せてオムツを交換しているママがいた。この女性、あなたの目には「ずいぶんと神経質」と映るであろうか。しかし実はこれ、ノロウイルス対策としてとても正しい行為なのだ。
感染性胃腸炎の症状は、発熱、頭痛、からだの節々の痛みなどインフルエンザ同様の辛い症状を呈することも多い。下痢や嘔吐が続けば容易に脱水症状を起こす赤ちゃんなどは特に心配だ。寒い季節とともに感染性胃腸炎が流行するのは欧米とて同じこと。しかし「赤ちゃんはオムツ交換台を介してノロウイルスに感染」という説が有力視され、ママたちもその台に付着しているウイルスや菌の消毒に注意を払うようになっている。ちょっとの工夫と改善で、日本でもこの忌々しい病気の爆発的な流行と感染を防ぐことができれば何よりではないだろうか。
まずはこの件に関し、清掃機具メーカー『Kaivac Cleaning Systems』の“Cleaning a Changing Table in Public Restrooms”というウェブページを翻訳し、要約すると以下のようになる。
“空港、バスターミナル、駅、遊園地、ビーチ、ファミリーレストラン…今日、ほとんどの女性用トイレ、ファミリー用トイレに赤ちゃんのオムツを交換する台が設けられており、親子連れが頻繁にそれを使用している。しかしその台は前に使用した赤ちゃんの残したウイルスや細菌が残っている可能性があり、感染性胃腸炎対策を考える上でここには細心の注意を払わなければならない。”
“汚れたオムツ、使用したお尻ふきなどはどれほど適切に処理されているだろうか。たとえトイレの清掃が十分に行われていても、そこに注意を怠る者があればウイルスや細菌が広がり、ほかの利用者に空気感染する可能性がある。その台を拭く際は殺菌剤を希釈したスプレーなど消毒作用のあるクリーナーの使用が奨励され、また常に乾燥させた状態を保つことも大事となる。”
以上である。赤ちゃんの便がゆるいほどお尻の広範囲に汚れが付着しており、衣服を汚してはならないとママはわが子のシャツなどを大きくめくり上げる。そのお尻が台に直接触れる状態でオムツを交換してもらっている子は実に多く、汚れたお尻ふきを台に直接置いているケースもしばしば見受けられる。ところが、オムツ交換を終えた者が「後に使用する親子のために」と消毒スプレーを吹き付けて、それを拭きとってから去る姿などは見たことがない。
そう考えると、前述の“神経質なママ”はすばらしい自衛策を心得ていることになる。施設によってはトイレのゴミ箱の脇に汚物入れのためのビニール袋を用意しているようだが、これも「袋」ではなく大きめの使い捨てビニール「シート」が望ましいと言えそうだ。それを敷いた上に赤ちゃんを乗せ、最後はすべての汚物をそのシートにしっかりと包んでゴミ箱に捨てる—こんなちょっとした部分の改善で非力な赤ちゃんたちを感染性胃腸炎の流行から守ってあげられることを、施設の責任者の皆さんには広く知って頂きたい。そうでなくともママたちは台を使用する前に消毒スプレーを吹き付け、ペーパーで拭きとるひと手間を忘れないでほしいものである。
https://news.biglobe.ne.jp/…/1227/tec_171227_0992999931.html