福井市内で今月14日、道路脇に自生していたスイセンを玉ねぎだと思い込み、夕食のカレーの材料として調理して食べた3人が、吐き気や嘔吐の症状で医療機関を受診したことがわかった。福井市保健所はスイセンによる食中毒だとして注意を呼びかけている。
保健所によると福井市内の60代の男性は今月14日夜、自宅近くの道路脇に自生していた植物が葉はニラ、根の部分が玉ねぎに似ていたことから食べられると判断し、カレーの具材として自宅で調理して食べた。その結果、食後30分以内に男性と30代の娘、10代の孫娘の3人が発症し、うち2人が医療機関を受診し、1人が入院した。
医療機関から通報を受けた保健所が残った植物や、採取した場所を調べたところ、葉や根の形状がスイセンと一致していたことから、スイセンに含まれる有毒成分のアルカロイドが原因だと断定した。
ヒガンバナ科のスイセンの仲間は、園芸品種として知られ、冬から春先に白や黄色の花を咲かせるが、葉はニラやノビルによく似ているうえ、地下茎は玉ねぎと間違えやすい。見分けるためには、ニラの場合は葉を揉んだり切ったりすると、強い刺激臭がするが、スイセンは弱く青臭いという。
2016年には北海道で自宅の敷地内に生えていたスイセンをニラと誤って炒めて食べた男性が死亡している。