2018/09/09【豚コレラ】養豚場の経営者「ばたばた死んで、パニックに」 /岐阜県
【豚コレラ】養豚場の経営者「ばたばた死んで、パニックに」 /岐阜県
岐阜県は9日、岐阜市内の養豚場で、家畜伝染病の豚とんコレラが発生したと発表した。県は養豚場の豚の殺処分を同日から始め、10日午前5時17分に完了した。11日午前中までに養豚場敷地内に埋却する方針。県が把握した段階で豚は計610頭いたが、このうち64頭は殺処分を終えるまでに豚コレラとみられる原因で死んだという。国内で豚コレラの感染が確認されたのは、1992年に熊本県で発生して以来となる。
岐阜県によると、この養豚場では、3日に豚1頭が急死。鑑定依頼を受けた県の中央家畜保健衛生所が解剖検査をしたところ、7日に豚コレラ感染の疑いがあることが分かった。さらに、別の豚を県と国が鑑定した結果、陽性反応が出たため、農林水産省が9日に豚コレラの感染を確認した。感染ルートは特定されていない。
この養豚場では、3~7日に約80頭が死んでおり、8日午前0時から豚の移動を自粛。県は周辺の道路を封鎖し、半径10キロ以内にある岐阜市の2養豚場と、同県各務原市の1養豚場についても移動を制限した。同時に岐阜市と同県各務原、関市、笠松町の計5か所に家畜関係の車両を対象とした消毒ポイントを設置した。
また、県内全ての豚とイノシシ飼育農家51戸を対象に聞き取り調査を実施し、異常がないことを確認した。
豚コレラは強い感染力と高い致死率が特徴。人には感染せず、感染した肉を食べても問題はない。今年、中国で発生しているが、県によると、岐阜市で発生した豚コレラは、中国のものとはウイルスの種類が違うという。
豚コレラが発生した養豚場の経営者は、県が8日に2度目の立ち入り検査をした際に、初めて約80頭が死んだことを報告。経営者は「ばたばた死んでパニックになった」と話しているという。死んだ豚を養豚場内に置いたままにしており、県は対応が遅れた可能性がないか調べている。