岐阜、愛知両県で家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が広がっている問題で、岐阜県は5日、新たに山県市の養豚場で死んだ豚などから感染を確認したと発表した。県は陸上自衛隊に災害派遣を要請し、同日午後6時10分から飼育されている約8100頭の殺処分を始めた。10日に殺処分、17日に殺処分した豚の埋却作業や施設の消毒を終え、防疫措置が完了する見通し。
県内で感染が確認されたのは17カ所目、同市内では4カ所目。先月25日に市内の別の養豚場で感染が判明している。今回の養豚場は市内に農場を2つ所有しているが、繁殖用の豚を飼育する農場は3月に豚コレラが発生し、全頭が殺処分されている。
県によると、農場から4日午前に豚舎の一つで死んだ4頭とひん死の1頭を見つけたと県中央家畜保健衛生所に連絡があった。死んだ2頭とひん死の1頭を含む13頭の血液などを遺伝子検査したところ、全頭が陽性反応を示した。
県は発生農場から半径3~10キロ圏内を搬出制限区域に設定し、1農場に区域外に豚などを持ち出すことを禁じた。発生農場と同じ関市内の食肉処理場を利用する岐阜市、揖斐郡揖斐川町、中津川市の各1農場の出荷も制限した。
山県市の発生農場は現在、繁殖用の豚を飼育しておらず、海津市の養豚農家から子豚を購入し育てている。県は海津市の農家の豚35頭を採血して遺伝子検査を実施し、感染の有無を確認している。先月30日に334頭を発生農場に出荷していた。
職員らの熱中症対策として、前回と同様に6時間4交代制で作業に当たる。熱中症の危険度を判断する暑さ指数(WBGT)が21度以上、気温が真夏日となる30度以上に達した場合は作業を中断する。24時間体制で医師か看護師を配置する。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20190606/20190606-144763.html