兵庫県病院局は24日、県立加古川医療センター(加古川市)で、標準投与期間が2カ月と定められている抗結核薬を医師が誤って約6カ月、患者に過剰投与していたと発表した。患者は副作用で両目の視力が0・01まで低下したという。
同病院局によると、患者は加古川市内に住む70代女性で、左脚の化膿性股関節炎の治療で入院。昨年6月、結核菌の陽性反応が出たため、主治医だった整形外科の20代男性医師が、感染症内科医の助言を受けて4種類の抗結核薬を投与した。
うち1種類は、厚生労働省の基準で標準投与期間が2カ月だったが、男性医師は約6カ月過剰投与した。今年2月、女性が視力の低下を訴えて来院。薬の副作用で視神経炎を発症していたため、投薬を中止した。病院側は女性に謝罪し、視力回復治療を進めている。
男性医師は薬の標準投与期間を知らなかったといい、県病院局は「今後は合併症を含む結核診療でも、感染症内科医が主治医を務めるようにする」としている。
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