【食中毒】フグ提供 届け出制に /愛媛県
10月スタート 食中毒防止へ
県は、フグをさばいて提供する飲食店や鮮魚店に保健所への届け出を義務付ける制度を10月に始める。フグを扱う調理人などは知事免許が必要だが、店自体はこれまで届け出が不要だった。保健所は店を把握し、適切に提供するよう指導を徹底するとともに、届け出証明書を交付して安全性のPRに役立ててもらう。(石原敦之)
県内はフグを盛んに食べる文化があり、新居浜市の郷土料理「ふぐざく」などが知られる。一方、肝や卵巣などに猛毒のテトロドトキシンが含まれ、食中毒が毎年のように発生する。2011年1月には今治市内の飲食店でフグの内臓を食べた経営者が死亡し、客2人が呼吸困難などの症状を訴えた。
有毒部位の客への提供は食品衛生法で禁じられ、県は全国でも早い1953年にフグの取り扱いに関する条例を施行。調理人など有毒部位を除去する業務の従事者は、フグに関する知識を問う試験に合格するなどして知事免許を取得することが義務付けられ、取得者は現在、約6800人という。
ただ、除去業務を行う店などにはこれまで届け出が義務付けられておらず、保健所が独自の調査で飲食店や鮮魚店など約1200の施設で実施されていることを確認。定期的に監視指導を行い、食中毒が発生したケースでは業務停止を命じるなどしてきた。
3月に改正された関連条例が施行される10月以降、フグを取り扱う飲食店や鮮魚店などは、営業許可の更新時期までに届け出が必要となる。保健所から「ふぐ取扱所届出済証」が交付され、店内の見えやすい場所に掲示する。有毒部位が除去された状態で仕入れている店などは届け出は不要。
県薬務衛生課は「効率的な指導や情報提供で食中毒の予防につなげる。証明書を消費者への『フグを適切に扱っている』というアピールに活用してほしい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/…/eh…/news/20170629-OYTNT50298.html