2017/08/11【食中毒】飲食店の半数が衛生面でクレームを受けた経験有り。飲食店の「食中毒対策」をアンケート調査

【食中毒】飲食店の半数が衛生面でクレームを受けた経験有り。飲食店の「食中毒対策」をアンケート調査

ついに夏本番がやってきた。気温と湿度の上昇とともに、飲食店が気をつけなければならないのが食中毒。もちろん、通年対策をとるべきものではあるが、特に夏場はO-157やカンピロバクター、サルモネラなどを原因とした食中毒が増加しやすいということもあり、普段以上に徹底的した衛生管理が求められる。

そこで、今回の「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者に“食中毒”をテーマにアンケートを実施。リアルな飲食店経営者の声を元に、食中毒防止策について考えていく。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:99名
調査期間:2017年7月12日~2017年7月17日
調査方法:インターネット調査

飲食店の半数は衛生面で「クレーム」を受けた経験有り!

まずは、客から衛生面でクレームを受けたことがあるかどうかについて尋ねた。その結果、最も多かったのは、「受けたことはない(50%)」という回答。

次いで「数年に1回くらい(24%)」「1年に1回くらい(15%)」「1年に数回くらい(11%)」という回答が続いた。

図からもわかる通り、今回のアンケートでは過去にクレームを受けたことがあるという店舗は半数にも及んでいる。これまでクレームを受けたことがないという店舗も決して他人事だと思わずに改めて衛生面について考えてほしい。

同時期に複数の人から同じクレームが来た場合は要注意

続いて、衛生面のクレームを受けたことがあると回答をした人に、過去に受けたクレーム内容について尋ねた。

最も多かったのが「料理に異物が入っていた(48%)」という回答。とくに髪の毛は気づかないうちに入ってしまうことも多いので、「帽子を被る」「髪の毛を縛る」など対策を取るようにしたい。

次いで、「食器が汚れている(20%)」「食後に体調を崩した(15%)」という回答が続き、少数ではあるが「テーブルが汚れている(4%)」「床が汚れている(4%)」「スタッフの身だしなみに清潔感がない(3%)」という回答も見られた。「食後に体調を崩した」というクレームが同時期に複数の客から寄せられた場合は、実際に食中毒が発生している可能性が高くなる。慌てず冷静な対応を心掛けよう。

食中毒を起こさないために、とくに気を付けていることは?

では、実際の飲食店ではどのようなことに気を付けているのだろうか。アンケートの回答をもとに効果的な対策を探っていこう。

「手洗いの意識の徹底と共有」
「調理工程の前後は手洗いを欠かさない」

食中毒対策として「手洗い」を徹底して行っている店舗も多いだろう。しかし、いくら手洗いを頻繁に行っていたとしても、洗い残しがあっては意味がない。手の平だけでなく、指先や指の間、手首などを丁寧にしっかりと洗うことが大切だ。

「まな板、包丁、ダスター等はアルコールや漂白剤による除菌、殺菌、滅菌を毎日行う」
「まな板や包丁の使い分け」

食品に直接触れるまな板や包丁といった調理器具の衛生管理は、特に気を引き締めて取り組みたい。アルコールなどを使い除菌・殺菌を行うほか、食材によって調理器具を使い分けることも効果的だ。

「『先入れ先出し』はもちろん 売上管理に基づいた仕入、仕込み、足の速いものに関しては仕込んだ日付等を記入する」
「食材の消費期限の確認。温度管理」

食材の「先入れ先出し」、冷蔵庫・冷凍庫の温度管理は、食材自体の傷みを避けるのに繋がる。また、食材の消費期限は、日付をわかりやすく記入するなどスタッフ全員と共有できるような対策が必要だ。

「衛生検査を年3回実施している」
「温度管理や日々の衛生管理を外注の業者へ依頼し、定期的に検査しています」
「衛生評価を外部に依頼。抜き打ちの衛生点検(外部委託)」

回答の中には、衛生検査を定期的に行っているという店舗もあった。外部に依頼して、抜き打ち検査をすれば、スタッフの気を引き締める良い機会になるだろう。
万が一、食中毒が起きたときの対策も忘れずに!

いくら気を付けていても食中毒が発生してしまう可能性はゼロではない。万が一食中毒が発生してしまったときの対策も必要だろう。では、どのような対策を行っているのか見ていこう。

最も多かったのが、「保険(生産物賠償責任保険、等)に加入している(48%)」という回答だ。大手保険会社の多くは、食中毒が起こったときに対応できる飲食店向けの保険サービスを提供している。費用面の問題はあるが、いざというときの安心感を得るためにも、入っておいた方が良いだろう。

次に多かったのが「発生時の初期対応マニュアルを作成し、従業員に教育を行っている(26%)」という回答。いざトラブルに直面すると、気が動転してしまうことも考えられる。冷静な対応を心掛けるためにもマニュアルを準備し、スタッフに共有しておこう。
また、なかには「その時に考えればよいので、対策は行っていない(21%)」という回答も見られた。今までクレームを受けたことがないという店舗に多く見られる回答であったが、いざ食中毒が発生してしまってからでは遅い。他人事だと思わずに、万が一に備えた対策は考えておくべきだろう。

食中毒対策をする上で重要なのは、スタッフ全員が“食中毒を起こさない”という意識を持つことである。スタッフ全員で意識を共有し、食中毒対策に取り組んでほしい。

■「飲食店リサーチ」
「飲食店リサーチ」では、当社運営サイト「飲食店.COM」の会員である飲食店経営者・運営者および開業希望者を対象にした調査活動を定期的に行っております。飲食店へのアンケート調査依頼やデータ利用などのお問い合わせにつきましては、下記窓口までご連絡ください。
株式会社シンクロ・フード 飲食店リサーチ 問い合わせ窓口
TEL:03-5768-9522 Mail:support@synchro-food.co.jp

https://www.inshokuten.com/foodist/article/4485/

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