【食中毒対策】バーベキューやカレーも 夏場の食中毒に注意
この季節、熱中症とともに気を付けたいのが食中毒。高温多湿が続くと、原因になる細菌が増えやすくなり、過去10年間の県内の状況を見ても7~8月は多発傾向にある。冷蔵・冷凍保管、手洗い、調理器具の洗浄消毒などと、食材購入から調理、食事の際まで「予防を心掛けてほしい」と県伊那保健福祉事務所。機会が増えるバーベキューでも、箸の使い分けや食肉の十分な加熱を呼び掛ける。「おいしくなる」と言われる”2日目のカレー”にも注意が必要だ。
同事務所は、食品購入を含めて複数の用事がある場合、「食品購入を一番最後にしてほしい」。夏の車内はかなりの高温になるとし、購入後は寄り道せず帰宅して「すぐに冷蔵・冷凍保管する」ことを求める。
夏場は、加熱不足の食肉が原因となるカンピロバクターやO157、生の魚介類に付くアニサキスなどへの注意が必要になる。焼き肉をする際は、肉を扱うトングや菜箸を用意することを推奨。「トングや菜箸であれば、それを食事用として使うことはまずない。箸の使い分けが確実にできる」と説明する。肉や魚を扱ったまな板でそのまま野菜を刻むことも危険とする。
冬場に猛威をふるうノロウイルスだが「7、8月も発生している」と警告。加熱調理については「75度で60秒以上が基本とされているが、ノロ対策を考えると、『85度以上で90秒以上』の加熱を勧めたい」とし、「ハンバーグの中が赤っぽいと、これをクリアできていないことになる」と指摘する。
一晩寝かせたカレーによる食中毒。その原因はウエルシュ菌だ。カレーに限らず煮込み料理を鍋で常温放置しておくと、夏の台所の暑さもあって増殖する恐れがある。
同事務所は「あら熱が取れてから、ボウルなど小さな容器に移し替え、翌日分は冷蔵保管してほしい」と対策を呼び掛け。「ウェルシュ菌は空気が苦手。2日目は入念にかき混ぜながら、しっかりと煮立つまで再加熱して」と話している。