【食中毒対策】加熱しても予防できない毒素も…食中毒を防ぐには?
「食中毒」とは、食べ物や飲み物に細菌やウィルスが付着し、急性胃腸炎で下痢、嘔吐、発熱などの症状を引きおこすことの総称で、「細菌性食中毒」、「ウィルス性食中毒」、フグ毒や毒キノコによっておこる「自然毒食中毒」、有害化学物質などによる「化学性食中毒」、アニサキスや馬肉のサルコシスティスなどの「寄生虫で起きる食中毒」の5つに分類されます。中でも細菌性とウィルス性によるもので全体の9割を占めているそうです。
特に気温が高くなる季節に発生しやすいのは「細菌性食中毒」。これは人の体温と同じ温度域で増殖する中温菌であるため。
細菌性食中毒で最も多い「カンピロバクター」は、バーベキューを例にすると、焼くときに使う箸と食べる箸を一緒にする場合によくおきるのだとか。その他にも、鶏肉を十分に焼かなかったり、鶏刺し、鶏のたたきなどでも食中毒になることが多いので、鶏の生食は絶対に食べないようにとのこと。「新鮮であれば食中毒にならない」と考えがちですが、カンピロバクターは新鮮であればあるほど菌の数が多く危険なのだそうです。75℃、1分以上の加熱で予防ができます。「カンピロバクターという菌は野菜への二次感染による食中毒を引き起こすことも多いので、注意が必要です」(斉藤さん、以下同)
もう一つ、「黄色ブドウ球菌」で起こる食中毒は、おにぎり、弁当、和菓子、シュークリームなどに多いそう。手荒れのある人が素手でにぎり、一晩おいたおにぎりが原因のケースもありました。手に傷があったり手荒れがあった場合は直接触るのを避けたり、料理をしないことが予防につながります。黄色ブドウ球菌は加熱しても毒素がなくならないので、手に傷があるときは食材や食器に触れないこと、さらに食品は10℃以下で保存し細菌を増やさないこと、調理するときは帽子やマスクをして菌をつけないことが重要なのだそうです。斉藤さんによると、「手荒れ程度は大丈夫、おにぎりは塩をするので殺菌作用があるから大丈夫、食べる時に加熱するから大丈夫、これらはすべて間違った認識です」とのことです!
菌によって予防法が違い、改めて食中毒に関して認識が間違っていたという方も多いかもしれません。27日(火)も引き続き斉藤さんに「家庭できる真夏の食中毒予防」というテーマでお話を伺います。ぜひチェックしてください!