【食中毒対策】酷暑続く豪雨被災地、食中毒に注意 作り置きはダメ
西日本豪雨の被災地では、多くの人が避難所に身を寄せている。厳しい暑さが続き、食中毒も心配だ。避難所での自炊や炊き出しの注意点をまとめた。
東京都の「避難所ですぐに使える食中毒予防ブック」によると、調理する人は、こまめに手洗いし、手指を消毒。調理時は指輪や腕時計を外す。できるだけ加熱調理するメニューにする。
加熱後に食中毒を起こす菌がつくのを防ぐため、材料は調理前に一口大などに切り、できあがった料理に素手で触らないこと。作り置きはしない。おにぎりを握るときは、使い捨て手袋やラップを使う。
断水で水を使えない時、食器や調理器具はペーパータオルで拭き、アルコール消毒を。なるべく紙の皿やコップなど使い捨ての食器を使う。料理はできるだけ早く食べるよう促す。
食中毒予防に欠かせないのが手洗いだ。指先や爪の間もせっけんでしっかり洗い、手指消毒剤をよくすり込んで自然乾燥させる。菌が繁殖しやすいため、手ふきタオルの共用は禁物だ。水が出ず、手を洗えないときは、ウェットティッシュなどで汚れを落とした後、手指消毒剤をすり込む。
食中毒を起こす菌が手などについて、嘔吐(おうと)や下痢といった感染症が広がるのを防ぐため、トイレを清潔にすることも心がけたい。ペットボトル1本(2リットル)の水に、ペットボトルのキャップ2杯(原液10ミリリットル)の塩素系漂白剤を混ぜて0・02%の消毒液をつくる。消毒液を浸して絞った布で、ふた、便座、便器の外側の順に汚れの少ない方から拭き、モップでトイレの床も拭く。
東京都健康安全研究センターの小沢悠作さん(40)は「カレーなどの作り置きは食中毒を起こす菌が繁殖しやすい。配られた食べ物は常温で保存せず、できるだけ早く食べきってほしい」と呼びかける。