半径10キロ 養鶏場異常なし
石川県は十八日、同県加賀市片野町の片野鴨池で死んでいた野鳥ヒシクイ一羽でA型鳥インフルエンザウイルスの陽性が確認されたと発表した。鳥インフルエンザの陽性確認は県内で初めて。県はこの日、半径十キロ以内にある養鶏場など十一カ所を緊急立ち入り検査し、飼育されているニワトリやアヒル計八千四百羽ほどに異常がないことを確認した。
県によると、加賀市鴨池観察館の職員が十五日午前八時半に、館近くの湿地の水際で死んだヒシクイを見つけた。国立環境研究所(茨城県)で遺伝子検査し、十八日、陽性であることが分かった。鳥取大で確定検査をし、感染力の強い高病原性かどうかを調べる。結果判明まで一週間ほどかかる。
今後の焦点は、養鶏場などへの感染拡大を防げるかどうかだ。県は、片野鴨池の半径十キロ圏内の養鶏場などへの立ち入り検査で防鳥ネットや出入り口の消毒といった防護態勢が整っていることを確かめた。十キロ圏外の養鶏場など百十四カ所にも電話で対策を徹底するように注意喚起している。
十九日からは県職員が毎日、十キロ圏内で死んだり、衰弱したりした野鳥がいないか監視パトロールをする。確定検査で高病原性でなければ、野鳥の監視はやめる。
鳥インフルエンザは高病原性であっても、野鳥から人に感染する可能性は低い。県の中田峰示農林水産部長は「鳥の排せつ物に触れたら手洗い、うがいをすれば過度に心配しなくていい」と説明。冷静な行動を促し「死んだ野鳥を見つけたら素手で触れず、市役所や町役場に連絡してほしい」と呼び掛けている。
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