【麻疹(はしか)】麻疹の患者報告数、昨年を上回るペース 集団発生や輸入症例も
麻疹(はしか)の患者報告数が、関西空港関連の集団発生があった昨年を上回るペースで増えていることが14日、国立感染症研究所の患者報告で分かった。一部の地域では集団発生が起きている。海外から帰国した人の感染も確認されており、患者の報告があった自治体は警戒を強めている。
国立感染症研究所によると、今年の患者報告数(8日現在)は44人で、2015年の1年間の報告数(35人)を超えた。このままのペースで報告数が増え続けた場合、関西空港の職員や帰国者らによる集団発生が起きた昨年(159人)を上回る可能性がある。
都道府県別では、三重が20人で最も多く、以下は広島(7人)、香川(4人)、東京と福岡(共に3人)、大分(2人)などの順だった。
三重県内では先月、麻疹の集団発生が起きた。県によると、この集団感染による患者報告数は18人(13日現在)。松阪市内の医療機関(2施設)では、計3人の職員が感染した。潜伏期間などを考慮し、現時点では集団発生の終息宣言を出していないが、2月21日以降、新たな患者の報告はないとしている。
海外で感染したとみられる「輸入症例」も報告されている。香川県高松市は今月2日、ベトナムから関西空港に帰国した同市内の男性が麻疹に感染したと発表した。
関西空港から高速バスで高松市内に戻って来たが、この男性の報告以降、県内の医療機関から保健所に麻疹の届け出はないという。