国連児童基金(ユニセフ)は1日、2018年のはしかの感染数が世界98カ国で17年より増加し、今年に入ってもウクライナ、フィリピンで急増するなど世界規模で流行していると発表した。重症化すると死に至ることもあるため、特に子供の感染防止が重要だとして予防接種の徹底を訴えた。
アジアでも感染は拡大傾向にあり、フィリピンでは今年に入り1万2千人以上が感染、早くも昨年1年間の約1万6千人に迫る勢いだ。死者も200人以上出ている。
日本でも感染者が増えており、国立感染症研究所の2月20日現在の集計では大阪府、三重県など22都道府県で220人以上の感染が報告され、過去10年で最多ペースだ。
ユニセフによると、17年と比べ18年の患者数が大幅に増えたのはウクライナ、フィリピン、ブラジル、タイ、フランスなど10カ国。特にウクライナでは3万人以上増え、今年1~2月の2カ月で新たに約2万4千人が感染した。
世界保健機関(WHO)の統計では17年の世界の感染者数は約17万3千人。18年は集計中だが、各地で流行したため倍増する見通し。感染が報告されない例も多いため、感染者の実数は200万人以上と推定している。
はしかは高熱や発疹が特徴で、空気感染で広がる。特定の治療法がなく、唯一の予防法はワクチン接種とされる。ユニセフのフォア事務局長は「全ての子供に安全なワクチン接種を受けさせる」ことが重要だと強調した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4195715002032019CR0000/