【B型肝炎】B型肝炎、気付いた時には重症化も
集団予防接種の注射器使い回しなどで感染が広がったB型肝炎について、症状や最新の治療方法を医師が解説する「B型肝炎医療講演会」が2日、さいたま市大宮区の大宮ソニックシティで開かれる。
主催する「全国B型肝炎訴訟埼玉弁護団」によると、B型肝炎ウイルスの感染者は県内に約6万~8万人、患者は約3千人いると推定されている。大半は症状が現れない無症候性キャリアーで、「感染を知らないまま放置し、健康診断で初めて知る人もいる」と月岡朗(あきら)弁護士は警告する。
患者の一人、鈴木和彦さん(69)=白岡市=は製紙会社員だった40代に突然の倦怠(けんたい)感におそわれ、慢性肝炎と診断された。「発症するまでB型肝炎への感染を知らなかった」。体の疲労で仕事にも支障が出た。
64歳で肝がんを発症したが定期検査を受けていたため初期段階で判明し、ラジオ波による手術が成功。「感染を知らなければ間に合わなかったかも」。その後、弁護士に相談し、国からの給付金を受け取ることができたという。鈴木さんは「気付いた時には重症化していることも。まずは知ってほしい」と講演会への参加を呼びかけている。