2017/10/07【溶血性レンサ球菌(溶連菌)】人食いバクテリア ハリケーンの洪水で感染 77歳が死亡 /アメリカ
8月終わりから9月にかけて、米国南部を襲ったハリケーンによって発生した洪水で、テキサス州の77歳の女性が「人食いバクテリア」に感染し、亡くなっていたことが判明した。浸水した自宅でケガした腕の傷から感染した可能性が高いという。
ハリケーン・ハービーの襲来で、テキサスでは河川の氾濫が相次ぎ、大規模な洪水が発生。公衆衛生当局はコレラや腸チフスへの警戒を強めていたが、ハリス郡司法科学研究所は先月25日、テキサス州内でハリケーンが原因で死亡した36人のうち、最後に亡くなったナンシー・リードさん(77歳)の死因は、「壊死性筋膜炎」だったと発表した。
米疾病予防管理センター(CDC)によると、壊死性筋膜炎は皮膚や筋肉が急速に壊死する感染症で、手遅れになると短時間で死亡するケースもある。
歯周炎や切り傷、陰部などから侵入した病原菌が急速に広がることで引き起こされ、感染すると、水ぶくれや紫斑、血疱ができて、激痛を伴うむくみや発熱、陥没性壊死が起こる。
原因となる菌は、溶血性レンサ球菌(溶連菌)やウェルシュ菌のほか、沿岸近くの海や魚介類に分布するビブリオ・バルニフィカスなどさまざまで、総称して「人食いバクテリア」と呼ばれる。米国では、毎年700〜1100件の患者が報告されているが、今回のハリケーンによる感染は初めてだという。