かゆみなどの皮膚症状がある時、診察でダーモスコピー(拡大鏡)が役に立つことがあります。メキシコの医師らが65歳男性のかゆみの原因と見られた動画を医学誌に投稿しました。
足の付け根がかゆくなった65歳男性
医学誌『The New England Journal of Medicine』電子版に、メキシコの医師らがダーモスコピーで撮影した毛じらみの動画が掲載されました(「参照文献」のリンク先から見られます)。足の付け根あたりの激しいかゆみを訴えて皮膚科を受診した65歳男性についての報告です。
その男性はかゆみが6週間続いていました。診察では目で見ても皮膚に原因らしいものが見つかりませんでした。ダーモスコピーで調べたところ、陰毛に取りついている毛じらみが見つかりました。毛じらみが綱渡りのように毛をつかんだり離したりする動きが撮影されました。
どこで毛じらみがついたのか?
毛じらみは性行為で感染することが知られています。しかし、性行為がなくても日常生活の中でタオルなどを介してうつることがあります。この男性は最近性行為をしていないと言っていました。ほかの場所に毛じらみはいませんでした。ほかの性感染症も見つかりませんでした。
イベルメクチンなどの治療により2週間でかゆみはなくなり、4週間後の検査で毛じらみは見つからなくなっていました(イベルメクチンは日本では毛じらみに対して保険適用がありません)。
意外に身近な寄生虫感染症
毛じらみがダーモスコピーで見つかった人の例を紹介しました。
性病と思われている病気でも、性行為以外の経路で感染することはありえます。たとえば疥癬(かいせん)はヒゼンダニが皮膚に寄生して激しいかゆみを起こす病気です。ヒゼンダニは性行為以外にも衣類などを介してうつることがあります。疥癬にはイベルメクチンなどが有効です。
皮膚症状はよくある症状で、原因もさまざまです。皮膚の観察を専門的に行っている診療科は皮膚科です。心当たりなく皮膚の症状が気になったら、皮膚科で相談すると原因が見つかるかもしれません。
https://medley.life/news/59e8286ac40d0a19d9d8435b/