2019/01/30【インフルエンザ】インフル県内死者7人に 医療機関・福祉施設 /長野県
千曲市倉科の特別養護老人ホーム杏寿荘は29日、施設内でインフルエンザの集団感染が発生し、入所者のうち女性(93)が死亡したと明らかにした。同日までに入所者12人、職員3人が感染。施設側によると、死亡した女性は以前から心不全と大動脈弁狭窄(きょうさく)症を患っていたが、インフルエンザ感染も直接の死因になったとしている。
県によると、今年に入ってインフルエンザの集団感染が発生した県内の医療機関や社会福祉施設は今回で計39カ所に上り、死亡が確認されたのは少なくとも7人となった。
杏寿荘によると、集団感染は25日以降に広がり、死亡した女性は26日に発熱。タミフルを投与し、27日午前1時半時点では受け答えができたが、同4時40分に職員が呼吸が止まっているのに気付き、同8時に死亡が確認された。28日に県長野保健福祉事務所と千曲市に報告した。
46人の職員と60人余の入所者は全員が予防接種を受けており、昨年11月以降は職員が出勤時に体温を確認し、37度以上の場合は簡易検査をした上で、結果にかかわらず帰宅させていたという。感染者が出た25日以降は面会を禁止し、職員や入所者へのタミフルの予防投与を続けている。
島田正治施設長は「インフルエンザの怖さは重々分かっていたので対策は徹底していたが、亡くなられた方には本当に申し訳ない」と話した。
県によると、20日までの1週間に県内87医療機関から報告があったインフルエンザ患者数は5054人。1医療機関当たり58・09人で、近年では大流行した2005年の76・28人に次ぐ水準。同じ期間に休校や学年・学級閉鎖をした小中学校、高校、幼稚園、保育園は計140施設に上る。北信地方の小学4年生男児が13日、感染後に脳症を発症して死亡したことも分かっている。
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