吉川貴盛農相は十二日の閣議後の記者会見で、豚コレラ対策費を追加すると発表した。長野、滋賀など発生五府県を中心として監視対象農場の出荷制限に伴う減収を補填(ほてん)し、野生イノシシ捕獲活動への支援を強化する。自治体の負担を軽減し、まん延防止対策を着実に進める狙いがあり、吉川氏は「発生防止に万全を期す」と述べた。
減収補填は、豚を出荷できず飼料代が増えた分や、豚が成長しすぎて価値が下がった分などが対象になる。負担金として二千万円を用意した。
岐阜県と愛知県では野生のイノシシに豚コレラが広がっており、養豚場に感染が拡大した要因とされる。イノシシの感染検査などに対し両県に計一千万円を追加配分する。地元の猟友会による捕獲活動の支援については、豚コレラの発生府県への交付限度額を撤廃。岐阜と愛知に二千万円ずつ追加配分する予定。
イノシシの防護柵の設置費用は地元の負担割合が実質一割になるよう仕組みを明確化。岐阜に一億二千万円、愛知に六千万円を交付。他府県を含め追加要望があれば対応するという。