2019/05/18【E型肝炎ウイルス】ジビエなどが感染源のE型肝炎、最多ペースで増加 飲食物の十分な加熱、自治体が呼び掛けも
ウイルスに汚染された野生鳥獣の肉(ジビエ)などを摂取して急性肝炎を起こすE型肝炎の患者報告数が、感染症発生動向調査が始まった1999年以降で過去最多を記録した2018年の報告数を上回るペースで増えている。報告数の多い自治体では、飲食物を十分加熱するよう呼び掛けている。
E型肝炎はウイルス性の急性肝炎で、ウイルスに汚染された食物や水を摂取することで感染。15-50日の潜伏期間の後、腹痛や食欲不振といった消化器症状を伴う急性肝炎を発症する。野生のイノシシやシカなどの生肉、加熱が不十分な肉が感染源と疑われるケースも少なくない。
国立感染症研究所によると、19年(5日まで)の患者報告数は164人。都道府県別では、東京が43人で最も多く、以下は、神奈川(24人)、千葉(15人)、北海道(13人)、茨城(8人)、群馬と新潟(共に7人)、埼玉(6人)、山形(5人)、宮城と福岡(共に4人)などの順だった。
ジビエ料理を提供する飲食店が少なくない北海道では、札幌市の患者報告数が半数近くを占めている。同市は、ホームページにE型肝炎の年・週ごとの患者報告数を掲載。「感染の予防には、現状で使用可能なワクチンがない状況にあるため、手洗いの励行と飲食物の十分な加熱が大切」としている。
https://www.cbnews.jp/news/entry/20190517153536