山形県で今月20日、80代の男性が釣った魚を妻とふたりで食べた後から、口のしびれや歩行困難などを訴えて救急搬送されていたことが明らかになった。保健所の調べで、フグによる食中毒だと判明した。
県の食品安全衛生課によると、今月20日、鶴岡市に住む80代の男性が釣った魚をその日の昼食用に70代の妻と一緒に味噌汁にして食べたあと、1時間半ほどして口のしびれやめまい、言語障害、歩行困難などの症状が起こり、救急車で医療機関に搬送された。
医療機関から通報を受けた庄内保健所が患者2人から聞き取り調査を行った結果、フグを食べたことによる食中毒だとわかった。
フグには、青酸カリの1000倍以上と言われる猛毒のテトロドトキシンがあり、加熱や水で洗ったくらいでは予防できない。毒の強さはフグの種類や部位によって異なり、一般に肝臓や卵巣、皮が強い。日本の沿岸ではトラフグをはじめ、クサフグなど20種類近くフグ科の魚がいる。
厚生労働省によると、毎年20〜30件程度の中毒事件が報告されており、そのうち大半がフグ処理資格をもたない素人が家庭で調理するのが原因で、例年1〜3人の死亡が報告されている。
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/9/29391.html