秋田県で今月3日、自宅の敷地内に生えていた山菜を炒めて食べた80代の女性が入院していたことが明らかになった。保健所は「強毒のイヌサフランを食べたことによる食中毒」だと断定した。
大館保健所によると、この女性は県北東部の鹿角(かづの)市に住んでいて、今月3日朝9時半ごろ、自分で調理した山菜炒めを食べた直後から、嘔吐や下痢、腹痛などの症状で入院。医療機関からの通報を受けて保健所が調べた結果、ウルイ(ギボウシ)と誤ってイヌサフランを食べたことが判明した。
4月には群馬で死亡例も…
ユリ科のイヌサフランは、葉はウルイやギョウジャニンニクによく似ていて、球根はじゃがいもや玉ねぎと間違えやすい。
アルカロイド系のコルヒチンが有毒成分で、開花後に葉を伸ばして、6月ごろに葉は枯れる。淡い紫色の花は、秋に開花するアヤメ科のサフランとよく似ているが、まったくの別物。
嘔吐や下痢、皮膚の知覚減退や呼吸困難などの症状のほか、重症化すると死亡する場合もあり、今年4月にはイヌサフランをギョウジャニンニクと誤って食べた70代の男性が死亡する事件もあったばかりだ。
毎年春になると、食用と誤って食べた有毒植物による食中毒事件が後を絶たないが、県や厚生労働省は「食用と確実に判断できない植物は、採らない!食べない!売らない!人にあげない!の四原則を守って欲しい」と注意を呼びかけている。
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/9/29589.html