2019/08/17【細菌感染】“眼球タトゥー”で白目が細菌感染…失明寸前になった24歳女性、痛みのあまりうつ病に苦しむ /カナダ

海外でタトゥーはファッションとして認識されていることも多い。日本では、まだまだ否定的に見られるタトゥーだが、個人の自由の範囲内で楽しむ分には問題ないのかもしれない。しかし、身体に針を刺す行為には恐ろしいリスクが付き物だ。
カナダには眼球タトゥーに失敗し、後遺症に苦しんだ女性がいる。
海外ニュースサイト『Global News』は2017年11月18日に、『Mirror』は同年11月30日に、カナダに住む当時24歳のモデルの女性、キャット・ガリンジャーさんが、眼球にタトゥーを入れたところ、失明寸前になり、痛みのあまり、うつ病になったと報じた。
もともとキャットさんは、「人体改造マニア」と呼ばれる全身タトゥーや、ボディピアスを楽しむ愛好家だった。そんなキャットさんが受けた眼球タトゥーは、眼球の白目の部分にインクを注射器で注入し、注入されたインクが粘膜で広がり、白目を染色するという施術。人体改造マニアの間では、眼球タトゥーは人気だという。
キャットさんは、白目を紫色にするために眼球タトゥーをすることにしたようだ。しかし、施術は失敗してしまい、左目からは紫色のインクが流れ出し、視界は不鮮明になってしまったという。キャットさんは、すぐに病院で治療を受けたが左目は腫れ上がり、視力は著しく低下してしまったという。原因は、眼球にインクを注入する際に使った器具からの細菌感染とみられている。医師の診断では、症状があまりにもひどいため、有効な治療法もなく、視力が回復する手立てはないとのことだ。また、2019年7月現在、キャットさんの症状がどうなったのかは不明である。
キャットさんは、自身のFacebookに腫れ上がった左目の写真を投稿。さらに、今回の事態のショックからうつ病に悩まされていることや、苦しみから解放されるためなら左目の摘出手術も考えていることを、Facebookで告白したようだ。なお、2019年7月現在、キャットさんのFacebookには、これらの投稿はない。
このニュースが世界中に広がると、ネット上では「ファッション感覚で楽しんでいたはずが、取り返しのつかない事態になったな」「眼球にタトゥーを入れるのは間違った選択だった」「やっぱりタトゥーは怖い、気軽に入れるものじゃない」「目なんて神経の塊の部分に入れ墨なんて想像しただけで怖い」「彼女は軽率だったかもしれないが、失明寸前でうつ病なのはかわいそう」など、さまざまな声が寄せられた。
タトゥーを入れたせいで、大切なものを失った例は他にもある。
2018年10月に、コロンビアに住む当時16歳の女性、ルイーザ・フェルナンダさんが、右胸にタトゥーを入れたところ、それが原因で感染症にかかってしまった。その後、脊髄にまで細菌が広がってしまったため、歩行が不可能になってしまったという。残念ながら、生涯車いす生活になると医師に告げられたそうだ。さらに、虫垂にまで炎症が起きてしまい、それを鎮静させるために大量の薬を投与したところ、当時妊娠していた赤ちゃんを流産してしまったという。
ファッションとして楽しむために入れたタトゥーが、一生付き合っていかなければいけない後遺症を引き起こすなど、当事者は想像もしなかっただろう。タトゥーを入れるのは、法律で禁じられた行為ではない。だが、こうした恐ろしいリスクがあることを知った上で判断すべきだろう。

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