性感染症の梅毒にかかったとして、ことし前半に報告された女性の患者のうち、1割近くが妊婦だったことが、国立感染症研究所の調査で分かりました。国内では近年、梅毒の患者が増えていますが、妊婦への感染の実態が分かったのは初めてです。
梅毒は、発疹などが出て、治療しないでいると神経のまひや血管の破裂を引き起こす細菌性の感染症で、ことし報告された患者数は、3日に発表された先月24日までのデータで5957人と、この20年間で最も多かった去年に続いて2番目の多さになっています。
梅毒は、妊婦が感染すると、子どもの目や耳などに障害が出るおそれがあり、ことし1月からの半年間に報告があった女性の患者、1117人について、国立感染症研究所が調べると1割近くの106人が妊婦だったことが分かりました。
調査の中で、6か月のうちに性風俗産業で仕事をしていたかと質問したところ、61人が回答し、56人はしていなかったと答えたということです。
また、妊娠初期には感染しているか検査が行われますが、感染が確認されたのが妊娠20週以降の人が26人いました。
妊婦への梅毒の感染の実態が分かったのは初めてで、国立感染症研究所の山岸拓也主任研究官は「夫やパートナーから感染した可能性があり、コンドームなどでの予防が重要だ。適切に治療すれば赤ちゃんへの影響を防げる可能性もあるので、症状がある人は早めに診察を受けてもらいたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/…/20191204/k10012201011000.html