2020/04/15【新型コロナウイルス:COVID-19】長野市、クラスター発生警戒 キャバクラ店で立て続けに感染 /長野県
長野市権堂町のキャバクラ店「林檎館」で従業員の男女三人が立て続けに新型コロナウイルスに感染し、市がクラスター(感染者集団)発生への危機感を強めている。現時点で店外への感染拡大は確認されていないが、三人とは来店客を含む四十人余りが濃厚接触したとみられる。同様の問題を防ぐため、加藤久雄市長は十四日、「接客を伴う飲食店の利用を控えてほしい」と市民に呼び掛けるメッセージを出した。
林檎館では十日に三十代の男性従業員の感染が初めて確認され、三日後に東京都に三月末に滞在した二十代の女性従業員、別の三十代の男性従業員の感染も判明した。市によると、濃厚接触者のうち、複数人が発熱などの症状を訴えているという。
今回のケースがクラスターと認定されれば県内で初めてとなり、加藤市長は十四日、市役所で開いた感染症対策本部会議で「クラスターとしての感染の広がりを大変危惧している」と強調。キャバクラ店のように多くの人が密閉した空間に密接、密集する「三密」の環境を避けるようあらためて求め、五十人以上が集まる市の行事は五月六日まで原則中止・延期する方針も表明した。
繁華街の接客を伴う飲食店の利用を巡っては、安倍晋三首相が十一日に自粛を呼び掛け、阿部守一知事も県民に同様の要請をしている。ただ、店の経営者らにとっては経営に直結する問題だけに対応に苦慮しているのが実情だ。
県内のスナックやバーなどでつくる県社交飲食業生活衛生同業組合の森田義一理事長は「林檎館は組合員ではないが、同じ業界で感染例が出たことを重く受け止めている」と語り、県内では休業に踏み切る店が相次いでいると明らかにした。一方で「組合員の多くは小規模店。現状が続けば収入を絶たれるばかりか、家賃や従業員への賃金支払いも滞る」と懸念し、近く県に経済的な支援を求める要望書を提出する考えを示した。
https://www.chunichi.co.jp/…/CK2020041502000020.html