2020/04/28【新型コロナウイルス:COVID-19】持ち帰り増「食中毒に注意を」 金沢市保健所が呼び掛け
新型コロナウイルスによる外出自粛でテークアウト(持ち帰り)や宅配事業を始める飲食店が増える中、市保健所は食中毒への注意喚起を強めている。気温や湿度の上昇により発生リスクが高まるためで、ホームページや食品関連団体を通じて、各店舗に食材の十分な加熱や衛生管理の徹底を呼び掛けている。
コロナの感染拡大を受け、飲食店が店頭販売や宅配サービスに乗りだし、減少した売り上げを補完しようとする動きが活発になっている。市内でも、和食店が弁当の提供を始めたり、複数の店が持ち帰り商品を共同販売したりするなど幅広い取り組みがみられる。
一方で、梅雨を控えて食中毒のリスクが高まっていることから、市保健所はテークアウトや宅配を始めた飲食事業者に対し、あらためて発生予防に向けた意識啓発を行うことにした。
市保健所が市食品衛生協会や全日本司厨士協会県本部に送った通知文では、食材を中心部まで十分に加熱調理することや、購入者に早めの消費を呼び掛けることを要請。原材料の納品伝票や販売先などの記録を残しておくことも求めている。
市内では昨年度、食中毒が8件(前年度4件)発生し、患者数は111人(65人)。このうち2件、41人が4~5月に確認された。
医療従事者らがコロナ対応に追われる中、食中毒の大量発生は医療機関などの余力をそぐことに加え、免疫力が低下した食中毒患者は、コロナ感染のリスクが高まることも懸念される。
市保健所衛生指導課の担当者は「各店舗で食品衛生責任者が十分に気を付けていると思うが、この機会にあらためて意識を高めてもらいたい」と話した。
https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20200428105.htm