2020/04/30【新型コロナウイルス:COVID-19】ディズニー全世界10万人超を解雇。キャストにしわ寄せ「許せぬ」創業者の孫娘が激怒
ディズニーもコロナ禍から逃れられない
新型コロナウィルスの脅威に戦々恐々となっているのは、大企業も中小企業も同じだ。
特に、航空会社やホテルなど観光業は軒並み業績悪化の波に飲み込まれている。
そんな中、世界的なエンターテイメント産業の王者ともいえる「ディズニーランド」も厳しい状況に直面することになった。欧米はもとより、日本でも中国でもほぼ営業停止中である。
例外は上海のディズニーランドで、「感染のピークは過ぎた」との判断から営業の一部再開に踏み切った。
とはいえ、2019年の売り上げは70億ドル(約7兆5,000億円)であったが、今年は大幅な減収が避けられそうにない。
全世界で働くキャストの半数を首切りへ
「ディズニープラス」と銘打ったオンラインショップで穴埋めを図ろうとしているが、先行きは厳しい。
そのため、生き残りを賭けて、ディズニーではとうとう従業員の解雇に踏み切った。
全世界で働く22万3,000人のスタッフのほぼ半数が解雇通告を受けることに。
10万人を超える「キャスト」と呼ばれていたスタッフが一挙に姿を消すことになる。
会社によれば、「これで毎月5億ドルの経費削減になる」とのこと。「従業員の皆さんは政府の失業保険を申請して下さい」というわけだ。
こうした「首切り策」に対して、反旗を翻したのが創業者ウォルト・ディズニーの弟ロイ・ディズニーの孫娘にあたるアビゲイル・ディズニーである。
従業員に負担に強いる対応に「待った」
曰く「株主への配当や経営陣への高額の給与やボーナスは維持し、従業員にしわ寄せを無理強いすることは許せない」。
実は、会社によれば「7月には配当金15億ドルを支払う」とのこと。
また、本年2月に最高経営責任者の座を退いたボブ・イゲール氏は「目下の経営危機を突破するには自分しかいない」とカムバック宣言。
15年間に渡り君臨してきたイゲール氏のそれまでの年俸は4,700万ドル(約50億円)を超えていた。
「ハリウッド最高の経営者」と称賛されてきたイゲール氏は急遽復帰を決めた際に「パンデミックの間、給与は半分しか受け取らない」と明言。
とはいえ、アビゲイルさんに言わせれば「自分は経営には直接携わっていないが、ディズニーの相続人として、従業員に過酷な負担を負わせることは容認できない」。
キャストがいなくてはディズニーの夢の世界も成り立たないはず。
そういえば、彼女は以前から「従業員の待遇や給与は改善の余地がある」と訴えていた。
ぶっちゃけ、夢の世界も底辺で支える時給15ドルのキャストがいての話だろう。果たして、創業者一族それぞれの思いは伝わるのだろうか。