新型コロナウイルスの感染拡大防止のためテークアウトを始める飲食店が増える中で、これからの季節、気温と湿度が上昇するため、食中毒のリスクが高まっている。店内での提供に比べて、調理から飲食までの時間が長くなるからだ。保健所では、事業者に衛生管理の徹底を求めるとともに、消費者に対して、購入品はできるだけ早く食べるように呼び掛けている。
厚生労働省が八日付で全国の自治体に送付した通知では、テークアウトのメニューは鮮魚介類などの生ものは避け、食品は十分加熱した状態で提供するよう求めている。調理済みの食品を二〇度以上の場所に置く時間を極力短くし、持ち帰り時には保冷剤を使用するなど、適切な温度管理が必要という。
草津市のJR草津駅近くの「近江肉寿司 坐空」では、県の休業要請後に、肉巻きずしや牛すじカレーのテークアウトを始めた。店の看板メニューは軽く火であぶった肉寿司だが、テークアウトでは十分に加熱したメニューのみを扱う。作り置きはせずに、「要冷蔵」「なるべく早くお召し上がりください」などのシールをパックに貼って、客に注意喚起している。
代表の岡田直明さん(44)は「街中では調理済みの弁当や総菜を、店頭で長時間並べている店も散見される。コロナの影響でみんな余裕がない状態だが、衛生管理を徹底するという当たり前に立ち返ることが大切だと思う」と話した。
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