2020/06/02【新型コロナウイルス:COVID-19】事業所の感染防止策、次の介護報酬改定で評価を 審議会で要請相次ぐ
来年度の介護報酬改定に向けた協議を行う審議会が1日、およそ2ヵ月ぶりにオンラインで会合を開いた。
新型コロナウイルスの流行がもたらした深刻な影響にどう対応するか? やはりこれが大きなテーマとなった。現場の関係者や有識者らでつくる委員からは、感染拡大を防ぐための事業所の取り組みを介護報酬で評価するよう求める声が相次いだ。
「介護現場には大変な労力がかかっている。感染防止対策を講じてサービスを提供している事業所を対象として、基本報酬に一定の割合をかける加算を設けてはどうか」
そう提案したのは、全国知事会の代表として参加している神奈川県の黒岩祐治知事。「介護現場の対策は非常に重要。ぜひ検討して欲しい」と働きかけた。
このほか、特養の経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会の小泉立志理事は、「感染防止対策の質を高めていく観点から基本報酬で評価すべき」と主張。全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めた介護現場の貢献は非常に大きい。その努力を評価すべき」と求めた。
厚生労働省は今後、介護現場の実態把握を行いながら具体策の検討を進めていく構えだ。今年の秋から年末にかけて結論を出す。
会合後に取材に応じた担当者は、「新型コロナウイルスへの対応は外せない視点になる」と説明した。第2波、第3波の襲来を含め、介護現場への影響はこのまま長期化していく見通し。次期改定をめぐる議論は、このテーマを1つの軸として動いていくことになりそうだ。
https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-06-02.html