2020/06/10【新型コロナウイルス:COVID-19】ブラジル政府、新型コロナの死者数など再公開 /ブラジル
ブラジル政府は9日、開示を取りやめていた新型コロナウイルスの累計死者数や感染者数の情報を再公開した。最高裁が公開を命じた。ブラジルは感染者数で米国に次ぐ世界第2位となっている。ボルソナロ大統領は外出規制などの対策に後ろ向きで、感染拡大を招いていると批判を受けており、情報公開を巡っても混乱が高まっている。
ブラジル保健省はボルソナロ氏の意向を受け、同省の特設サイト上で6日から累計死者数などを非公開としてきた。8日夜に最高裁が公開を命じ、9日午後には従来通りの情報が公開されるようになった。9日夜に公開された1日の死者数は1272人で、累計死者数は3万8千人を超えた。新規の感染者数は3万2千人で、累計感染者数は約74万人となった。
ブラジル政府が情報公開を減らす中、大手紙グロボやエスタド・ジ・サンパウロなど複数のメディアは、8日から共同で各州の数字を取得した上で公開し、政府に対抗していた。エスタド紙は「ボルソナロ政権は1日の死者数を1000人以下にするよう決めた」と報じ、政権の姿勢を批判している。
ボルソナロ氏は新型コロナを一貫して軽視する姿勢を取っており、急激な感染拡大を招いたと批判されている。同氏は9日、「世界保健機関(WHO)は政党のようだ」と述べ、新型コロナの収束後、WHOを脱退するかどうかを改めて検討すると表明した。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、ブラジルは累計感染者数で世界2番目、累計死者数で3番目となっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60179530Q0A610C2000000/