2020/06/11【新型コロナウイルス:COVID-19】「防護策が不十分」と調査報告 大阪の集団感染病院 /大阪府
大阪府・市は11日、新型コロナウイルスの集団感染が発生した「なみはやリハビリテーション病院」(大阪市生野区)について、厚生労働省クラスター対策班の調査報告書を公表した。リハビリ施術中にスタッフが十分な感染症対策をとっていなかったことなどを指摘し、看護師と同様に防護服着用の徹底を求めた。
大阪府の吉村洋文知事は同日、報告書を受けて「院内感染防止の研修を実施するほか、医療物資を送るなど府として支援していきたい」と述べた。その上で「医療スタッフへの積極的なPCR検査の実施を今後検討していきたい」と表明した。
なみはや病院では、4月14日~5月13日までに入院患者や職員など府内で計133人の感染が確認された。府は同病院でクラスター(感染者集団)が発生した可能性があるとし、厚労省の対策班が4月20日から現地調査を開始した。
報告書は、看護師やスタッフが病棟の各フロアを行き来できる状況だったことが、感染拡大の原因になった可能性を指摘。施術時にも手袋の着用をしておらず、「リハビリによる伝播が考えられる」と分析した。
また調査開始の時点で、病棟のゾーン分けや、防護服の適切な使用が徹底されていなかったと課題に言及し、「感染対策を継続するため、スタッフの確保と教育」が重要だと指摘した。