2020/06/15【新型コロナウイルス:COVID-19】負債1000万円以上の新型コロナ関連破たん、月間100件ペース
東京商工リサーチは、「新型コロナウイルス」関連破たん状況の調査結果を発表。経営破たんは全国で244件に達し、長崎県ではじめての経営破たんが判明した。
東京商工リサーチは6月15日、「新型コロナウイルス」関連破たん状況の調査結果を発表した。6月12日17時現在、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)は、全国で244件(倒産172件、弁護士一任・準備中72件)に達した。2月2件、3月23件から4月84件に急増、5月も83件と高止まり。6月は12日に6件判明し合計52件となり、月間100件ペースで推移している。
都道府県別では、長崎県で初めて経営破たんが判明し、福井、和歌山、鳥取、高知の4県を除く43都道府県で発生している。東京都が53件(倒産45件、準備中8件)で最多。以下、大阪府22件(同15件、同7件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡県と兵庫県が各13件の順。
業種別では、最多が飲食業の37件。緊急事態宣言の発令で来店客の減少、休業要請などが影響した。次いで、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が35件。百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連が29件が続く。個人消費関連の業種の苦戦が目立っている。
このほか、休校やイベント自粛、飲食店休業の影響を受けた食品関連31件、結婚式場や葬祭業の冠婚葬祭業7件、案件減少など受注環境が悪化した建設業12件など、業種が広がっている。
経営破たん244件のうち、従業員数が判明した232件の従業員数は8,111人に達した。従業員数が5人未満が75件(構成比32.3%)で、10人未満は120件(同51.7%)と半数を占める。一方、300人以上は5件(同2.1%)に過ぎず、耐性の乏しい小・零細企業に強く影響が出ている。
経営破たんした企業は、人手不足や消費増税、暖冬で業績が厳しかったところに、新型コロナの影響で急激に資金繰りが悪化し、行き詰まるケースが多くなっている。