2020/06/17【新型コロナウイルス:COVID-19】ハンガリー 政府の権限強化を終了 新型コロナの対応めぐり /ハンガリー
ハンガリーでは新型コロナウイルスへの対応として、政府に非常事態に伴う大きな権限を無期限で与えたことから民主主義を損なうおそれがあると批判の声が上がっていましたが、オルバン政権は感染者が減少したとして権限を終了する法案を提出し16日可決されました。
ハンガリーのオルバン政権は、ことし3月、非常事態宣言を発表し、その後、政府の権限を強化する法案を議会に提出し、賛成多数で可決されました。
この法律では、非常事態宣言が続く間は、選挙は行われず、さらに、新型コロナウイルスに関するデマを流した人を禁固刑に処することなどが盛り込まれましたが、これによって、政権に批判的なジャーナリストへの圧力強化につながるといった懸念が広がりました。
また、権限強化を終了する期限が盛り込まれなかったことから「民主主義の根本的な原則を保証できない」として、EUの加盟国からも批判の声が上がっていました。
こうした中、オルバン政権は感染者が減ってきたとして、非常事態の権限を終了する法案を議会に提出し、16日、議会は全会一致で可決しました。
これによって非常事態宣言は近く、終了する見通しでオルバン首相は「私を独裁者だと批判したものは、謝罪すべきだ」として、政権に批判的な国内外の勢力を非難しています。
一方、オルバン政権は、非常事態宣言が終了したあともウイルス対策として議会の承認を得ずに、政府がさまざまな対策を打ち出せる別の法案も提出して議会で可決していて、野党や人権団体などは「実態は変わっておらず、非常事態宣言の終了はまやかしだ」などと懸念の声が上がっています。