2021/04/09【多剤耐性菌:OXA48】多剤耐性菌OXA48型、奈良県内で初検出 多くの抗菌薬効かず /奈良県
多くの抗菌薬が効かない「OXA48型」と呼ばれる多剤耐性菌が奈良県内で初めて検出されていたことが9日、県関係者への取材で分かった。県内医療機関の患者1人から検出された。県と国の研究機関が菌を特定、国内でも検出例が極めて少ない菌で、県の研究機関も「院内感染などで広がると危険で、注意深く監視する必要がある」としている。
関係者によると、昨年12月、郡山保健所管内の医療機関から、患者1人が耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)による感染症を発症したと県に届け出があった。多くの抗菌薬に耐性を示したため、県と国の研究機関が遺伝子解析した結果、抗菌薬を強力に分解する酵素をつくる「OXA48型」と判明した。
この菌は2001年ごろトルコで見つかり、その後欧州に広がった。健康な人にはほぼ害はないが、ほとんどの薬剤が効かないため、抵抗力が落ちた人が感染すると、重い合併症や死亡につながる確率が高いとされている。日本では12年に初めて検出されたが、その後広がりは見られず、18年の検出も全国で3人のみ。今回の患者に海外渡航歴はないという。
https://mainichi.jp/articles/20210409/k00/00m/040/223000c