2021/05/07【新型コロナウイルス:COVID-19】神戸の介護老人保健施設の集団感染 133人感染25人死亡 /兵庫県
神戸市は市内の介護老人保健施設で先月中旬から7日までに、入所者と職員、あわせて133人が新型コロナウイルスに感染し、このうち入所者25人が死亡したと発表しました。
神戸市によりますと、長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」で、先月14日、90歳以上の入所者1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。
その後、ウイルス検査を行ったところ、感染が次々に確認され、7日までに▼入所者97人、▼職員36人のあわせて133人の感染が確認されました。
このうち、入所者25人が症状が悪化して死亡したということです。
神戸市によりますと、市内の病床数がひっ迫しているため、感染した入所者は、原則、施設内で療養していて、亡くなった25人のうち、医療機関に入院したのは2人だけだったということです。
施設には、3人の医師や、16人の看護師が常駐していたほか、先月下旬からは厚生労働省の医療チームが派遣され、酸素の投与や投薬治療を行っていました。
神戸市は、「入院できるのがベストだが、市内の医療提供体制が危機的な状況だったため、施設に医療機関の側面もあると判断し、療養をしてもらった」としています。
施設には、先月16日の時点で認知症の患者など133人が入所していておよそ7割の入所者が感染したことになります。
神戸市健康局の熊谷保徳 副局長は、記者会見で、「認知症の入所者は、マスクを着けるように言っても着けてもらえないことも多かった。非常に大きなクラスターとなり、25人が亡くなったことは重く受け止めショックを受けている」と述べました。
一方、集団感染が確認されてから20日以上公表していなかったことについて、「一定期間に多くの患者が発生し確認や健康管理で業務がひっ迫して公表が遅れた」と説明し、謝罪しました。
【クラスター発生の介護老人保健施設は】
クラスターが発生し、25人の入所者が亡くなった神戸市長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」は、平成14年に開設し、入所定員150人の市内でも最大規模の施設です。
入所している人の8割が何らかの介護や支援を要する認知症などの高齢者で、70人の定員の認知症専門棟を備えるなど認知症のケアにも力を入れています。
神戸市によりますと、先月16日の時点で、133人が入所し、このうち認知症の人は61人だったということです。
従業員は121人いて、医師は3人と看護師16人が常駐しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20210507/2020013278.html