2021/05/25【新型コロナウイルス:COVID-19】コロナ感染しやすくなる抗体 阪大研究グループ発見
新型コロナウイルスに感染した人の体内にはウイルスが細胞に感染しやすくなる作用を持つ抗体が作られていることを大阪大学の研究グループが突き止めました。
この抗体は重症の患者により多く見つかったということで、研究グループは、今後、重症化しやすい人を調べられる可能性があるとしています。
これは、大阪大学微生物病研究所の荒瀬尚教授らの研究グループが24日、会見を開き、発表しました。
研究グループは、新型コロナウイルスに感染した人の体内にできる抗体、70種類あまりを調べました。
その結果、感染を防ぐ働きをする「中和抗体」とは別に、ウイルスが細胞に感染しやすくなる作用を持つ抗体、6種類を新たに見つけ、「感染増強抗体」と名付けました。
新型コロナウイルスは、表面にあるトゲのような突起がヒトの細胞に入り込む際の足がかりとなっていますが、「感染増強抗体」が、この突起と結びつくと、トゲの先端の形が変わり、ウイルスと細胞が結合しやすくなるということです。
また、コロナ患者の体内の抗体の量を調べたところ、重症の患者では感染増強抗体が多い傾向がわかったということです。
研究グループは「感染増強抗体の量を調べることで、重症化しやすい人が事前にわかる可能性がある」としています。
この研究結果はアメリカの科学雑誌、「セル」に掲載されます。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210525/2000046133.html