熊本県は10日、菊池保健所管内の90代女性がレジオネラ症で死亡したと発表した。県健康危機管理課によると、県内のレジオネラ症の死亡例は今年初めて。
菊池市は4日、同市七城町の七城老人福祉センターの温泉施設から、簡易検査でレジオネラ菌を検出。5月28日に温泉施設を利用した高齢者1人がレジオネラ症を発症したと発表していた。同市と同課によると、亡くなったのはこの高齢者だった。
温泉施設のレジオネラ菌について県がさらに培養検査をしたところ、実際には基準値未満だったことも10日判明。同課は「レジオネラ症は温泉だけでなく、河川や土壌など自然界に生息するレジオネラ属菌によって感染する。女性のレジオネラ症と温泉施設の因果関係はほとんどない」との見方を示した。
温泉施設と、隣接する「七城ふれあいプラザ」は営業を停止しているが、菊池市は「二つの施設の再開は保健所の検査を見て考えたい」と話している。
県内のレジオネラ症の報告は今年11人目。2020年は45人(死亡2人)、19年は46人(同1人)だった。