2021/06/18【食中毒:下痢原生大腸菌】富山市962人食中毒か 14小中学校5保育施設 共通提供の牛乳など調査 /富山県
下痢や嘔吐で欠席・早退
富山市は17日、市内の13小中学校と5保育施設で体調不良を訴える児童生徒や園児、教職員が続出し、計930人が欠席・早退したと発表した。下痢や嘔吐、腹痛、発熱の症状があり、富大人間発達科学部附属小でも児童32人の欠席・早退が判明。いずれも軽症とみられるが、市内で同様の症状での欠席・早退は計962人に上った。市は給食やおやつで共通して提供された牛乳などを原因とする集団食中毒の可能性があるとみて調査している。
集団欠席・早退が起きたのは、芝園、桜谷、五福、岩瀬、豊田、新明、萩浦、四方、倉垣の9小学校と、芝園、西部、岩瀬、和合の4中学校。保育施設は、愛宕、双葉、和合の3保育所に加え、とよた、桜谷の2保育園。富大附属小を含めて、市中心部や西部、北部に集中している。市と市教委によると、入院などの重症者は報告されていない。
各学校と保育施設では17日朝、児童生徒や園児の保護者から体調不良を理由に欠席の連絡が相次いだ。学校側から「欠席者が多い」との連絡を受けた市教委は市内の状況について調査を開始し、その後、保育施設でも欠席者が多いことが分かった。各校と保育施設では、体調不良で早退する児童生徒や園児も相次いだ。
市と市教委は17日夕、市役所でそれぞれ会見を開いて状況を説明。市こども家庭部の古川安代次長や市教委の大久保秀俊事務局次長らが「体調の悪い人が多数出て、大変申し訳ない」と陳謝し、頭を下げた。
原因判明19日以降
市と市教委によると、現時点で原因は不明で、食中毒と断定されていないが、集団食中毒の可能性を視野に入れ、市保健所が調査を進めている。結果の判明は19日以降の見通しという。
市と市教委は当分の間、給食やおやつで牛乳や加熱していない食材の提供を停止し、加熱調理する献立に変更する。保育施設では給食で牛乳は提供されていなかったが、おやつの時間に提供されていた。
市内の小学校と保育施設では各校・各施設の調理室で給食を準備し、中学校には給食センターから配送されている。市と市教委の会見で報道陣から「牛乳は同じ業者から提供されているのか」との質問が出たが、それぞれ明言しなかった。
県内での食中毒患者最多は781人
富山県厚生部によると、データが残る1956(昭和31)年以降に県内で発生した食中毒のうち、患者数が最も多かったのは98(平成10)年6月の781人。今回の集団欠席・早退者が全て食中毒の患者と確認された場合、県内で過去最大規模の食中毒となる。
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