2021/07/01【新型コロナウイルス:COVID-19】感染経験者の抗体量は予防には不足、接種必要…1回で2回分と同じ抗体量に
新型コロナウイルスに感染した経験のある人でも、感染予防に十分な量の抗体を得るには少なくとも1回のワクチン接種が必要とする研究結果を、長崎大の柳原克紀教授(臨床検査学)らのチームが発表した。
感染を経験した49人と感染したことがない113人について、米ファイザー製ワクチンの接種前後で、ウイルス表面のたんぱく質に対する抗体の量がどう変わるかを調べた。
その結果、感染経験者の接種前の抗体量は、予防に十分とされる量の10分の1程度にとどまっていた。しかし、1回目の接種から1週間後には増え、2回接種を受けた感染経験がない人の抗体量と同等になった。感染で獲得した免疫が、1回の接種で十分なレベルに強まったとみられるという。
一方、感染経験者が2回接種した後の抗体量は、1回目の接種後と大きな変化はなかった。厚生労働省は、感染経験者も2回接種の対象としている。
中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)の話「一度感染した人でもワクチン接種は必要だ。ただ1回の接種でも十分な効果があるため、ワクチンが不足する場合は1回で済ますことも考えられる」
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210701-OYT1T50104/