2021/07/13【新型コロナウイルス:COVID-19】「政府要請に従うのは、ばかばかしくなった」 4度目緊急事態 酒提供の店増える

四度目となる新型コロナウイルス緊急事態宣言が都内に発令された十二日、多摩地域の飲食店街では酒類提供の停止や時短営業の要請に応じない店が目立ち始めた。八月二十二日までの宣言で夏休み中の集客が見込めなくなった観光地からは、ワクチン接種が進んで観光客が戻ることを祈る声が漏れた。
「政府の要請に従うのはもうばかばかしくなった」
JR吉祥寺駅近くの「ハモニカ横丁」(武蔵野市)で複数の居酒屋を経営する男性は、今回は大半の店で通常営業を続けることにした。前回の宣言下で酒の提供を続けた店に客が流れており「要請に応えていてはじり貧になる」と判断した。「吉祥寺で三、四割の店は要請を拒否するのでは」とみる。
一方、同市の吉祥寺通り沿いで「食事とお酒カヤシマ」を経営する佐藤孝一さん(68)は、酒類提供中止と午後八時までの時短営業に応じる。売り上げはコロナ前の約半分だが「協力金を含めれば何とか乗り切れそう」と話した。同時に「今回ばかりは従えないという飲食店も多い。ぎりぎりの状態なんです」と訴える。
立川市の居酒屋「餃子のさんくみ 立川本店」も要請に従うが、店長の大西広紀さん(32)は「売り上げは全然」と明かす。要請に応じない店にも「それぞれ事情がある。仕方がない」と理解を示す。後で撤回したが、要請順守を取引金融機関から働き掛けてもらうとした西村康稔経済再生担当相の発言には「いじめですよね」と憤った。
◆観光地も嘆き
八王子市の高尾山では、登山を楽しむ人の姿はまばらで、閑散としていた。都内で最も標高の高いビアガーデン「高尾山ビアマウント」は、十二日から酒類提供を停止。山頂近くで「やまびこ茶屋」を経営する松村高雄さん(71)は「ワクチンが行き渡って十一月ごろには何とか人出が戻ってくれたら」と話した。
青梅市御岳山の武蔵御嶽神社近くで食堂と土産物販売の「駒鳥売店」を営む馬場欣哉さん(67)は「夏休みは一番の書き入れ時なので残念だ」と肩を落とした。加盟する御岳山商店組合は「森の妖精」と呼ばれるレンゲショウマの花が見頃となる七月〜九月に予定していた各種イベントを宣言期間中すべて中止した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116280

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