2021/08/06【新型コロナウイルス:COVID-19】医療現場に危機感“未接種の家族感染で医療従事者が自宅待機”
新型コロナウイルスの感染が急拡大し、医療現場では病床がひっ迫する中、新たな課題も出てきています。
医療従事者はワクチンの優先接種を済ませていますが、まだ接種できていない同居家族が感染することで、濃厚接触者とされるケースが相次ぎ、医療現場では人手不足が深刻化すると危機感を募らせています。
東京・文京区の東京医科歯科大学附属病院では6日時点で、入院患者は重症が6人、中等症が23人となり、いずれの病床も満床の状態になっています。
病院によりますと、この2週間ほどで自宅やホテルで療養中に容体が悪化し搬送される患者が増えていて、入院患者の3割がそうした患者だということです。
病院では、空気を外に漏らさない陰圧装置がついたベッドや車いすに乗せられた患者が搬送される様子が見られました。
さらに、この1週間は容体が重い患者の搬送が多く、入院した半数が酸素の投与が必要で、人工呼吸器や鼻から高濃度の酸素を大量に投与する「ネーザルハイフロー」という医療機器を準備して対応にあたっています。
こうした中、医療現場では新たな課題も出てきています。
医療従事者はワクチンの優先接種を済ませていますが、まだ接種できていない同居家族が感染することで濃厚接触者とされてしまい、働けなくなるケースが相次いでいます。
これまでに病院で働く医療従事者のうち、およそ30人が自宅待機となり、人手不足が深刻化すると危機感を募らせています。
若林健二病院長補佐は「“第5波”の特徴として勤労者世代の感染が多く、医療従事者も一緒に住む家族が感染すると、濃厚接触者になって休まなくてはいけない状況が多数発生している。患者が増え重症病床も増やしていこうという中で、医療提供の礎となるスタッフの数が減っていて、非常に危機感を感じる」と話しています。
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