2021/08/14【新型コロナウイルス:COVID-19】精神障害者の新型コロナ死亡率、健常者の約2倍
精神障害をかかえている人は新型コロナウイルス感染症による死亡率が健常者よりも2倍ほど高いことが、最新の調査研究で明らかになった。研究者らは各国の保健当局に対して、新型コロナ対策では精神障害者らを優先することにいっそう配慮するよう促している。
精神医学誌「JAMAサイキアトリー」に掲載された論文によると、研究チームは7カ国の計1万9000人あまりの診療記録を調べた16の研究結果を分析した。その結果、精神障害がある人はない人に比べて新型コロナによる死亡率が1.8倍高いことがわかった。
なかでも、統合失調症や双極性障害といった重い精神障害の患者は新型コロナの死亡リスクが高く、死亡率は健常者の2.3倍にのぼっていた。免疫系の異常が一因になっている可能性があるという。
肥満や年齢など健康状態に関する他の要因を考慮しても、新型コロナによる死亡率は重い精神障害者では健常者の1.7倍、精神障害者全体でも1.4倍高いという分析結果になった。
この結果からは、精神障害者の新型コロナによる死亡率の高さには、こうした患者の医療アクセスの難しさや依存性の高さ、精神病の治療薬による副作用、その他さまざまな社会的要因がかかわっていることが示唆されると研究チームは指摘している。
研究チームは、精神障害者は健常者に比べ新型コロナによる死亡率が高い以上、ワクチン接種や治療、病院スタッフの専門トレーニングなど、病気の予防・管理政策で優先されるべきだと訴えている。
ただ、今回の研究ではそれぞれの精神障害のリスクを正確に評価することはできなかった。研究チームは、それについては今後の研究で対処できるだろうとコメントしている。
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