2021/08/18【新型コロナウイルス:COVID-19】ワクチン接種率が世界トップレベルのアイスランドで「感染拡大」─それでもワクチンが重要な理由 /アイスランド

感染拡大でも「ワクチンの有効性を示している」
新型コロナウイルス対策が高く評価され、ワクチン接種率も世界トップレベルのアイスランドが、現在、過去最悪の感染状況を記録している。
米紙「ワシントン・ポスト」のデータによると、アイスランドは最もワクチン接種の進んだ国であり、人口の71%が接種を完了しているという。少ない人口と国民皆保険制度のおかげで、政府は速やかにワクチンを国民に供給することができた。
アイスランドでは6月25日までの2週間で、10万人あたりの感染者数がわずか1.6人だった。しかし8月12日の時点で、その数字は421人にまで急増し、過去最高値を記録している。
絶対数は比較的小さいものの、アイスランドの人口が35万人であること、そして7月中旬までは感染者数が1ヵ月以上ほぼゼロだったことを考えれば、感染は急激に拡大しているように思われる。
そんななか、ワクチン反対派は、新型コロナワクチンが「失敗作」であることの証明だとして、嬉々としてアイルランドの現状を指摘している。
感染が拡大すると、アイスランドはすぐにワクチン反対派から、彼らに都合の良い話題として持ち出されるようになった。米放送局「FOXニュース」のある番組では、ゲストがアイスランドでは「ほとんどワクチンが今回の感染拡大を引き起こしているかのようだ」と語った。
だが、こうした意見に反して、感染症の専門家たちは、現在のアイスランドにおける感染拡大が、新型コロナウイルスの最も深刻な影響から人々を守るのにワクチンがいかに有効かを示していると述べる。
疫学者であり、アメリカの私立大学ボストンカレッジの教授であるフィリップ・J・ランドリガンは、ワクチン反対派の指摘は誤っていると話す。彼ら反ワクチン派は、ワクチンが「新型コロナウイルスによる死をほぼ完全に防いでいる」という事実を見落としているとランドガリンは言う。
というのも、アイスランドで最近感染した人の多くはワクチン接種を完了した人々で、その症状は非常に穏やかだ。それゆえ、感染者数が大幅に増加しても、同国のコロナ入院率と死亡率は低いままとなっている。
現在、1300人の感染が報告されているが、入院している患者の割合はわずか2%に留まる。また、アイスランドでは5月下旬以降、新型コロナウイルスによる死者は出ていない。
ワクチン接種をした人の割合が高くなると、検査で陽性となった人々のうち、接種済みの人々のほうが多くなる。ランドリガンはこう語る。
「多くの場所で、いわゆるブレークスルー感染が確認されていますが、そうした場所でも重症者や死者数はきわめて少ないです。これこそが、今のアイスランドが示す最も重要なメッセージです」
アイスランドはまた、ブースター接種にも早々に乗り出そうとしている。同国民の多くはmRNAワクチンであるファイザー社製のワクチンを接種したが、接種が1回のみで終わるジョンソンエンドジョンソン社製のワクチンを受けた5万3000人に対しては、少なくとも接種から8週間以内に追加接種を受けるよう、当局が呼びかけている。
https://news.yahoo.co.jp/…/3616764cb453d7da2583eb037bde…

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