2021/10/08【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ 「抗体カクテル療法」 診療所で外来患者に始まる /大阪府
新型コロナウイルスの感染が再び拡大したときに備えて、大阪府内の一部の診療所では、外来での軽症患者などを対象にした「抗体カクテル療法」の実施が始まっています。
「抗体カクテル療法」は、当初は対象が入院患者に限られていましたが、現在は外来や往診での使用も条件付きで認められるようになっています。
これを受けて、大阪・生野区の診療所では、今月1日から、外来の患者を対象に「抗体カクテル療法」の実施を始めています。
7日は、発熱などを訴えて診療所を訪れた30代の患者に検査を行ったところ陽性が判明し、基礎疾患があることなどから重症化のリスクがあると判断して、その場で「抗体カクテル療法」を行いました。
敷地内に設けられたテントの中で30分間、薬を点滴し、その後、1時間ほど経過を観察して体調に変化などがなかったため帰宅させました。
この診療所で、実際に外来で「抗体カクテル療法」を行ったのは2人目だということです。
外来での「抗体カクテル療法」の実施は、大阪府内では入院患者を受け入れているおよそ70の病院で可能ですが、診療所ではまだほとんどなく、府は、感染の再流行に備えて1500の診療所などに協力を求めています。
葛西医院の小林正宜院長は「診療所は患者がアクセスしやすく、検査を行って結果が出たらすぐに実施できるのがメリットだ。今後、第6波が始まってニーズが高まったときのために準備をする必要があり、少しでも実施する診療所が増えればと思う」と話していました。
【抗体カクテル療法 実施の課題】
診療所の外来で抗体カクテル療法を実施する際の課題について、葛西医院の小林正宜院長は薬の使用期限を挙げています。
主に流通している抗体カクテル療法の薬は、1回あたり2人分入っていて、開封後は48時間以内に使い切る必要があります。
小林院長は、「48時間以内に2人目を使用しないといけないので、それを過ぎてしまうと廃棄になります。診療所の単位ではそういうニーズの確保はなかなか難しいかもしれません」と話していました。
そのうえで、複数の診療所で情報を共有し、実施が必要な患者を薬が余っている診療所に案内するのも1つの解決策ではないかとして、「薬品なので医療機関での貸し借りは法律上難しい。患者の情報を共有しながら薬剤を持つ施設で実施することが現実的かもしれません」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211008/2000052333.html