2021/10/20【新型コロナウイルス:COVID-19】コロナ破たん、累計2262件 東京都が500件に到達 /東京商工リサーチ
10月20日は15時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が9件判明、全国で累計2147件(倒産2045件、弁護士一任・準備中102件)となった。
月別では、2021年に入って2月(122件)以降、3カ月連続で最多件数を更新した。5月は124件と4カ月ぶりに前月を下回ったが、6月は155件でそれまでの最多を記録した。7月(140件)、8月(124件)も100件超えが続き、9月はこれまでの最多を更新する160件に達した。10月も20日までに93件と高いペースで推移している。
倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計115件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で2262件となった。
「緊急事態宣言」の解除以降、全国的な感染者数の減少が続くなかで営業時間の制限なども段階的に緩和され、飲食や観光業を中心に需要回復への期待が高まっている。
一方で、経営体力の低下による息切れのほか、経済活動の再開に伴う資金需要の高まりに対処できない企業が増えることも懸念される。
金融支援策は継続するが、業績不振が長期化し過剰債務の問題が浮上しており、コロナ関連破たんは当面は高水準で推移するとみられる。
※ 企業倒産は、負債1000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。
【都道府県別】(負債1000万円以上) ~ 千葉県で50件目 ~
都道府県別では、東京都が475件(倒産458件、準備中17件)に達し、全体の2割強(構成比22.1%)を占め、突出している。以下、大阪府228件(倒産219件、準備中9件)、神奈川県107件(倒産104件、準備中3件)、 愛知県96件(倒産96件)、兵庫県95件(倒産87件、準備中8件)、福岡県94件(倒産89件、準備中5件)、北海道78件(倒産75件、準備中3件)と続く。
20日は東京都で3件、大阪府で2件、北海道、茨城県、千葉県、富山県で各1件判明し、千葉県では50件目となった。10~20件未満が17県、20~30件未満が8県、30件以上は18都道府県に広がっている。一方、5件未満は鳥取県(4件)のみ。
【業種別】(負債1000万円以上)~飲食が最多の389件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く ~
業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で389件に及ぶ。これまで緊急事態宣言の対象となっていた地域では休業や時短営業、酒類提供の制限などで経営体力の消耗が懸念され、飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が212件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の173件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が103件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が96件と、上位を占めている。
【負債額別】(負債1000万円以上)
負債額が判明した2113件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の795件(構成比37.6%)、次いで1億円以上5億円未満が683件(同32.3%)、5千万円以上1億円未満が383件(同18.1%)、5億円以上10億円未満が134件(同6.3%)、10億円以上が118件(同5.5%)の順。
負債1億円未満が1178件(同55.7%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。
【形態別】(負債1000万円以上)
「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した2044件の形態別では、破産が1819件(構成比88.9%)で最多。次いで民事再生法が98件(同4.7%)、取引停止処分が92件(同4.5%)、特別清算が25件、内整理が9件、会社更生法が1件と続く。
「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。
【従業員数別】(負債1000万円以上)
「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した2030件の従業員数の合計は2万2161人にのぼった。
2030件の内訳では従業員5人未満が1146件(構成比56.4%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が388件(同19.1%)、10人以上20人未満が260件(同12.8%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、7月以降も7件発生している。
https://news.yahoo.co.jp/…/bf586eac8596d9ec3cd277a2f6f3…