2021/11/29【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ「オミクロン株」 入国制限の動き広がる
南アフリカで確認された新たな変異ウイルスは、イギリスやドイツなどヨーロッパで感染が確認されたのに加え、28日、新たにオーストラリアでも2人の感染が確認されました。
各国で、アフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。
南アフリカで確認された新たな変異ウイルスはWHO=世界保健機関が26日、現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と名付けました。
これまでに南アフリカの隣国のボツワナや香港、それにイスラエルで感染が確認されたほか、ヨーロッパではイギリス、ドイツ、ベルギーに続いてイタリアでも確認されました。
さらに、28日、新たにオーストラリアでもアフリカ南部から入国した2人の感染が確認されました。オーストラリア当局によりますと感染した2人はワクチン接種を終えていたということです。
また、オランダの国立公衆衛生環境研究所は、今月26日に、南アフリカから旅客機で到着した乗客のうち、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出た61人について詳しく調べていましたが、これまでに13人が「オミクロン株」に感染していたことが確認されたと発表しました。
■各国でアフリカ南部からの入国を制限する動き
「オミクロン株」については、感染力や重症化のリスク、ワクチンの効果への影響などはまだ明らかになっていませんが、各国の間でアフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。
またイスラエルは、水際対策を強化し、ヨーロッパを含むほかの地域からも含めてすべての外国人の入国を14日間、禁止することを決めました。
さらにイギリスが人口の大半を占めるイングランドで、公共の交通機関や小売店でのマスクの着用を再び、義務づけるなど国内での規制強化に乗り出すところもあり、対策を一段と強める動きが出ています。
■「オミクロン株」オーストラリアでは
オーストラリアの最大都市シドニーがあるニューサウスウェールズ州は28日、アフリカ南部から入国した2人が新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたと発表しました。オーストラリアでの感染確認は初めてです。
州政府の発表によりますと、感染が確認されたのは27日、アフリカ南部からオーストラリアに入国した2人だということで、いずれも新型コロナウイルスワクチンの接種を終えていたということです。
オミクロン株の各国での感染確認を受けてオーストラリア政府は27日、南アフリカを含めアフリカの9か国からの外国人の入国を禁止するとともに、オーストラリア人の入国についても入国後14日間の隔離を義務づけると発表しました。
また、ニューサウスウェールズ州など一部の州では11月からワクチン接種を条件に海外からの入国者の14日間の隔離義務を撤廃していましたが、28日からアフリカの9か国以外からの入国者について、国籍にかかわらず、入国後3日間の隔離を新たに義務づけました。
■航空各社 アフリカ南部の便 取りやめなど発表
新たな変異ウイルスの確認を受けて各国で水際対策が強化されていることにともなって、航空各社はアフリカ南部とを結ぶ便を取りやめるなど対応を余儀なくされています。
このうち、UAE=アラブ首長国連邦に拠点を置くエミレーツ航空は、南アフリカとジンバブエ、それにザンビアとの間を行き来する便の運航を一時的に取りやめると発表しました。
また、カタール航空がアフリカ南部の5か国からの乗客を受け入れないことを決めたほか、シンガポール航空は南アフリカとを結ぶ旅客便を貨物便に変更するとしています。
世界の航空会社は新型コロナウイルスの感染拡大によって経営に大きな打撃を受けていて、さらなる影響が広がることへの警戒感を強めています。