新型コロナウイルスの感染が世界で拡大する一方、感染者の死亡率は低下している。2021年前半に2%前後だった死亡率は21年末に1%を割り、1月6日時点で0.8%まで下がった。背景として先進国を中心にワクチン接種が進む要因のほか、変異型「オミクロン型」の重症化リスクが低い可能性がある。
死亡率は米ジョンズ・ホプキンス大が集計する世界の新規死者数(7日移動平均)を2週間前の新規感染者数(同)で割って求めた。デルタ型が流行した21年7月に死亡率は2.4%だったが、ワクチン接種の加速とともに低下傾向にある。
特に先進国で死亡率の低下が目立つ。国民の5割がワクチンの追加接種(ブースター接種)を受けた英国では最新の数値が0.2%と、ワクチン接種を開始した20年12月の約3%から大幅に低下した。イスラエルも0.1%前後と極めて低い水準で推移する。
世界保健機関(WHO)は4日、オミクロン型が他の変異型より重症化リスクが低い可能性が高まっているとの見解を示した。オミクロン型の感染が南アフリカで初確認された21年11月後半に世界全体の死亡率は1.5%程度だったが、直近ではさらに下がっている。