2022/01/28【新型コロナウイルス:COVID-19】大阪の高齢者施設で感染者急増 全員入院は難しく 現場に危機感 /大阪府
新型コロナウイルス感染の拡大で、大阪府内の高齢者施設でも感染者が急増し対応に追われている。大阪市では24~27日まで、1日当たり約40~70カ所の施設から感染報告があり、前週と比べて増加。感染した入所者の入院が難しいケースも出てきているといい、現場は逼迫(ひっぱく)している。
同市介護保険課によると、市内に約1万600ある介護保険施設や事業所で感染者が出た場合は市に報告がある。報告数は先週の平日が1日当たり約30~40カ所だったが、今週に入り27日まで約40~70カ所と増加した。
1月1~24日の感染者数は入居・居住系の施設で利用者136人、職員200人。訪問・通所系のサービスでは利用者56人、職員132人の感染が報告されている。
市内の約50人が入所している高齢者施設の職員によると、23日に複数の入所者の陽性が確認され、26日までに計11人まで増えたという。6人は入院できたが、5人は症状が軽いなどの理由で、入院せずに施設で待機することになった。
感染は職員の間でも広がりつつあり、既に複数の職員の陽性が確認されている。認知症のある入所者にマスクの着用や個室での待機を徹底するのは難しく、「症状が軽くても搬送をお願いしたい。行政の検査の前に体調が悪くなった人を自前で検査すると陽性になったこともある。職員の手が回らなくなり、感染者との接触が疑われても出てこざるを得なくなる」と訴える。
一方で、府の入院フォローアップセンターによると、「オミクロン株」への対応で入院は症状が継続し治療が必要な人を原則とする。府内の高齢者施設で多数のクラスター(感染者集団)が起こり、病院でも濃厚接触者や院内感染があるため病床が逼迫し始めている状況という。
同センターの担当者は「症状の重い順に酸素投与が必要な人はできる限り入院させようとしているが、全員は難しくなりつつある。(入院調整時に)病院に6、7件は断られるような状況がある」と話していた。