2022/02/11【新型コロナウイルス:COVID-19】感染症専門医が新薬「パキロビッド」に期待する“2つの理由” 浜松医療センター・矢野医師
感染症が専門の矢野邦夫医師に新型コロナウイルスについて聞く。日本でも承認されたコロナ患者向けの飲み薬「パキロビッド」の効果は。
(Q.静岡県内の感染者数は依然として高い水準のまま。ピークアウトはいつか)
矢野邦夫医師:
参考となる数字は実効再生産数(感染者1人が何人に感染させるか。1よりも多いと感染拡大、1よりも小さいと感染縮小)があります。いま感染者が減っている沖縄は0.91なんですね。静岡県は1.04まで下がりました。もうそろそろピークアウトになるのかなと思いますが、東と西に感染者が多い県があり隣接していますから、ウイルスを持った人が流入してくるとピークアウトした後も“ゆっくり”減るのかなというイメージです
(Q.県内にまん延防止等重点措置が適用されてから2週間が経った。効果は出ているか)
矢野邦夫医師:
飲食店がターゲットになっていますが、実際に感染しているのは学校や高齢者施設です。ただ人の動きが止まる減る効果があります。病院はいまかなりひっ迫しているので効果が10分の1でも感染者の動きが止まってくれれば効果があるのではと考えています
(Q.県の専門家会議はまん延防止措置の延長を提言していて、県も解除できる状態ではないとしているが、どう考えるか)
矢野邦夫医師:
いまここで解除するとまん延防止措置が続いている県から人が流入してくる可能性があるので、人の動きが激しくなるのは避けたい。現時点では延長は賛成だと思っています
(Q. 政府はきのう軽症・中等症の患者向けのファイザー社製の飲み薬「パキロビッド」を特例承認した。国内では2種類目のコロナの飲み薬の承認となるが期待は)
矢野邦夫医師:
パキロビッドは大変期待しています。理由は2つあり、1つは重症化予防が90%ある。薬を飲まない人が10人重症化した場合、飲んでいれば9人は重症化しなかったという事なので、本人にとっても医療のひっ迫にとっても大変役に立つ。
もう1つは変異株に関係ないんですね。オミクロン株であろうが、デルタ株であろうが、これから新しい変異株が出てこようが有効なので、こういった2つの点から大変期待しているところです
(Q.3連休、感染リスクを軽減するためにはどう過ごしたらいいか)
矢野邦夫医師:
人の動きが非常に問題です。しかも今回の変異株は家庭内感染がけっこう激しいので、家庭に持ち込むとそこでクラスターが発生するので、外で感染しないように3連休は家で過ごすか、家族とだけ食事をするとかちょっと動きを止めてもらえるとよろしいと思います
矢野邦夫医師:感染症専門医。浜松市の感染症対策調整監。浜松医療センター感染症管理特別顧問。