イギリスなど欧米で今、子どもの間で原因不明の肝炎の報告が相次いでいる。この肝炎の可能性がある患者が4月25日、日本国内で初めて確認された。
■16歳以下の子供1人が肝炎と診断
肝炎と診断されたのは16歳以下の子供1人で、現在入院していて治療も受けている。厚生労働省は、プライバシー保護から居住地や性別などを明らかにしていない。
WHO(世界保健機関)によると、原因不明の肝炎はこれまでに欧米を中心とした12カ国(アメリカ・スペイン・フランス・アイルランド・イギリス・ノルウェー・デンマーク・オランダ・ベルギー・ルーマニア・イタリア・イスラエル)から少なくとも169例が報告されている。
■74例でアデノウイルスが検出
原因は何なのか。実は海外で報告された患者の約4割から、あるウィルスが検出されているという。
厚労省 感染症情報管理室・今川正紀室長:
74例でアデノウイルスが検出されていますが、原因ウイルス等については不明であるとされております。
アデノウイルスとは一体どのようなものか、感染症の専門家に話を聞いた。
川崎医科大学・中野貴司教授:
アデノウィルスというのは、子供に起こる病気の病原体としてよく知られていましたが、肝炎ではなく、咽頭結膜熱とか肺炎とか胃腸炎の病原体としてよく知られていました。こういった重い肝炎が通常の日常生活で感染するんだったら、今後の動向をしっかり注目していかなければいけないと考えています。